このたび、相模原市緑区城山総合事務所にて開催された城山包括支援センター様 主催 ケアマネ交流会において、当法人理事長 鈴木智広が「大人の発達障害について」講演を行いました。



当日は、地域のケアマネジャーの皆様や包括支援センター職員の皆様など、23名の方々にご参加いただきました。
ご利用者やご家族に関するご相談から、ご自身や職場における対応、訪問診療に関するご質問まで、幅広く活発な意見交換がなされました。
講演ではまず、発達障害の基本的な理解について解説しました。発達障害とは、生まれつき脳の発達に特性があり、日常生活や社会生活に影響を及ぼすものであり、主に自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(SLD)が挙げられることを紹介しました。
近年は「大人の発達障害」への注目も高まっており、子どもの頃は気づかれなかった特性が、大人になって社会生活の中で困難となり、診断につながるケースが増えています。実際、診断件数の増加は生物学的要因よりも社会的な理解や診断技術の向上によるものであり、周囲の気づきが重要であることを強調しました。
さらに、ADHDの特徴として「不注意」「多動性」「衝動性」、ASDの特徴として「社会性の課題」「コミュニケーションの困難」「こだわりや過集中」といった傾向を具体例とともに説明しました。これらの特性は本人の努力不足ではなく、生まれ持った特性であることを理解し、支援につなげる視点が求められます。
一方で、発達障害を放置すると、うつ病や不安障害、PTSD、依存症などの二次障害を併発しやすくなるため、早期の気づきと適切なサポートが何よりも大切です。その上で、苦手を無理に克服するのではなく、自分の得意分野や強みを伸ばし、行動をパターン化して成功体験を積み重ねること、また周囲に頼り感謝を伝えることが、より良い生活につながるとお伝えしました。
会場には地域の方が心を込めて手書きで幟(のぼり)を作成してくださり、温かい雰囲気の中で学びと交流が広がる場となりました。

今回の講演を通じて、地域の皆様と共に「大人の発達障害」への理解を深め、日々の支援や医療に役立つ学びを共有できたことを嬉しく思います。
今後も当法人では、地域に根ざした学びと連携を深めるため、発達障害、依存症、トラウマケア、サイコオンコロジー、皮膚トラブル、認知症、感染症など幅広いテーマで勉強会を継続してまいります。