2025年11月30日、相模女子大学で開催された「あじさいサミット2025」において、
つばさクリニック相模原・町田で精神科外来を担当する 銀谷 翠 医師 が、オリィ研究所さん、訪問看護ステーションむぎさん、相模湖地域包括支援センターの皆さまとともに、分身ロボット「OriHime」を活用した支援に関する事例発表に登壇しました。

発表では、在宅・地域での支援が必要な方に対し、OriHimeを介して精神科医・支援者・患者をつなぐ取り組みが紹介されました。
特に、社交不安症、コミュニケーション障害、自閉スペクトラム症(ASD)など、対面受診へのハードルが極めて高い方にとって、“いきなり医師の対面ではなく、多職種の協働により段階的に医療へ近づく手段” として分身ロボットが一定の役割を果たしたことが報告されました。
銀谷医師からは精神科医としての関わりをもとに、現在のオンライン診療指針では精神科のオンライン初診が原則認められていないため、外出が難しい方ほど医療にアクセスしづらくなるケースがあることも共有されました。
決して否定的な意味ではなく、「制度の安全性を重視した設計が、現場のニーズと必ずしも一致しない場面がある」という、実践の中で感じる“すれ違い”が丁寧に説明されました。

一方で、OriHimeのようなデバイスを活用し、訪問看護、包括支援センター、医療が連携することで、「直接対面が難しい方が、医療につながるまでの“中間支援”」を提供できる可能性が示されました。
今回の事例発表を通じて、多職種が協働する支援モデルの重要性が改めて確認されました。
当院としても、地域の関係機関と連携しながら、患者さんが医療につながるための選択肢を広げ、誰一人取り残さない精神科医療の実現に向け、今後も取り組みを進めてまいります。
